本日も『オッペンハイマー』でビジネス英語を学びます。
この映画は世界初の原子爆弾を開発し、「原爆の父」として知られるロバート・オッペンハイマーの生涯と苦悩を描いた伝記映画です。
映画の中ではビジネスでも使える英語のフレーズが豊富に登場。
その中でも印象的でビジネスに使えるフレーズを抽出して皆さんにお届けしたいと思います。
誰に向けて書いているか?
英語を使って情報を伝えるだけではなく、相手の心を動かして、行動に移してもらいたいと思っている人。
。
本記事で学べる事
- 映画「オッペンハイマー」で使われているリアルなビジネス英語フレーズ④
- 各フレーズのビジネス応用表現
本記事を読めば映画の1シーンから実戦で使えるリアルなフレーズが学べます!
効果的なフレーズを自分のものにして実際のビジネス現場に活かしていきましょう!
今日の英語フレーズをご紹介しますね。
① there is a chance that 文章 ・・・~の可能性がある
② A support B ・・・AがBを裏付けている
③ chances are near zero ・・・可能性はほぼゼロに近い
映画「オッペンハイマー」解説と今日のシーン
あらすじと今日のフレーズを順を追って説明します。
「オッペンハイマー」あらすじ
オッペンハイマーは1926年にハーバード大学を卒業した後、数々の大学へ留学する中で理論物理学を学び始めます。彼は自身の研究や活動を通して核分裂を応用した原子爆弾実現の可能性を感じます。1938年にはナチス・ドイツでも核分裂が発見され、原爆開発の必要性を痛感。
1942年、第二次世界大戦が激化する中、オッペンハイマーはアメリカのロスアラモス国立研究所で原爆開発(マンハッタン計画)のリーダーとして活動しました。
彼は全米から集められた優秀な科学者チームを率い、1945年7月16日に人類史上初の核実験「トリニティ」を成功させます。この成功はやがて広島と長崎への原爆投下へと繋がり、彼は原爆の父として英雄視されますが、その一方で核兵器による犠牲に深く苦悩しました。
戦後、オッペンハイマーは核兵器の拡散に危機感を抱き、水爆開発に公然と反対。
彼はトルーマン大統領に会い、核兵器管理の国際機関の創設を提案したものの、受け入れられません。その後、核兵器推進派との対立が深まり、彼の人生とキャリアに暗い影を落とします。オッペンハイマーの人生は、科学者としての輝かしい業績と、核兵器という人類史上最も破壊的な発明との葛藤の中で翻弄されていくことに。
今日のシーン
それでは本日のシーンを見てみましょう。
アメリカで行なわれた人類最初の核実験、「トリニティ」の2時間前のオッペンハイマーの様子を描いたシーンです。
当時ロスアラモス国立研究所で所長を務め、原爆開発チームを主導していたオッペンハイマー。
1945年7月16日深夜、トリニティ実験を目前に控えマンハッタン計画を指揮しているレズリー・グローヴス(マット・デイモン)と実験の行く末について語り始めます。
3年間、多くの人、モノ、金をかけてこの日の為に準備してきたが、果たしてどうなるか、色々な想いが交錯します。
この会話の前半部分をまだ見られていない方はこちらをご覧ください。
それではの二人の会話をご覧ください。
今日のシーン セリフ
Wait, are we saying there’s a chance that when we push that button, we destroy the world? ①
待って、そのボタンを押したときに、私たちが世界を破壊する可能性があると言っているのか?
Nothing in our research over three years supports that conclusion,② except as the most remote possibility.
3年間の研究で、その結論を裏付けるものは何もありません。最も遠い可能性としか言えません。
How remote?
どれほど遠い?
Chances are near-zero.③
可能性はほぼゼロです。
Near-zero?
ほぼゼロ?
What do you want from theory alone?
理論だけから何を望んでいるのですか?
Zero would be nice!
ゼロだったらいいのに!
In exactly one hour… and 58 minutes, we’ll know.
ちょうど1時間…と58分後に、私たちは知るでしょう。
It’s letting up.
雨がやんできている。
except as A ・・・Aとして以外は
remote possibility ・・・遠い可能性
in exactly ・・・ちょうど
let up ・・・静まる、やむ
ビジネス英語フレーズ抽出
①there is a chance that 文章 (~する可能性がある)
解説
there is a chance that 文章で ~の可能性がある、という意味です。
「there’s a chance that when we push that button, we destroy the world?」ボタンを押すと世界中を巻き込んだ爆発が起きる可能性があるのか?という事を聞いています。
ご原爆実験の起爆ボタンを押した場合に、物理学者のフェルミが言うように世界を破壊する可能性があるのかどうか?を聞いています。(前回の記事③をご参照ください。)
there is a chance をビジネスで使う例
例文
【There’s a slim chance(わずかな可能性がある)】
“There’s a slim chance that we can get the project approved by the board if we revise our proposal significantly.”
「提案を大幅に見直せば、わずかですがプロジェクトが取締役会に承認される可能性があります。」
【There’s a chance(可能性がある)】
“There’s a chance that we could secure a larger market share if we adjust our pricing strategy.”
「価格戦略を調整すれば、より大きな市場シェアを確保する可能性があります。」
【There’s a good chance(かなりの可能性がある)】
“There’s a good chance that we will see an increase in sales this quarter if the new advertising campaign succeeds.”
「新しい広告キャンペーンが成功すれば、今四半期に売上が増加する可能性がかなりあります。」
② A support B (AがBを裏付ける)
解説
Nothing in our research over three years supports that conclusion②,
ここ3年間の研究で、フェルミの言っている「大気点火」を裏付ける証拠は何も見つかっていないという意味。
except as the most remote possibility:
あるとしても最も遠い、つまり非常に低い可能性しかない。と言っています。完全に可能性を排除していないものの、その可能性が極めて低いことを示しています。
supportをビジネスで使う例
A support Bという形でAがBの有効性をサポートしている(裏付けている)という使い方が出来ます。support以外の文章も載せておきます。
例文
“The quarterly sales figures support the effectiveness of our new marketing campaign.”
「四半期ごとの売上高が、私たちの新しいマーケティングキャンペーンの有効性を支持しています。」
“The data backs up our strategy.”
「そのデータは私たちの戦略を裏付けています。」
“Our market research validates our decision to expand.”
「市場調査が、拡大するという私たちの決定を立証しています。」
③chances are near-zero
解説
「Chances are near-zero.」は、ある事象が起こる可能性が非常に低いことを表しています。
zeroと言いきらずにnear-zeroきわめてゼロに近い、というところがミソですね。
完全に否定しきらないのがビジネスとしても正しいスタンスとして使えます。
chances are near-zero の類似英語例文
例文
“The likelihood of achieving a 20% sales increase is extremely low.”
「売上を20%増加させる可能性は非常に低いです。」
“Our legal team has concluded that the probability of winning a lawsuit is minimal.”
「私たちの法務チームは、訴訟に勝つ可能性は極めて低いと結論付けました。」
どのようにこのフレーズを応用するか?
自分にあてはめた文章を作ろう!
読者の方々はそれぞれ自分のいる会社、職場での関係性シチュエーションが違うと思います。
ご自身のおかれた環境をイメージしながら上記構文を使って皆さんに合った文章を作ってみてください。
それを何度も暗唱する事で自分のフレーズとして獲得できます。
練習方法
この構文を利用した自分事としての例文をつくり、自分のものにするためにも声に出して何度も繰り返しましょう。
原文音声をひたすらシャドーイング
ますます自然なネイティブのリズムや発音を手に入れるために、最初にオリジナルの音声を真似てみましょう。
自分事文をひたすら音読
原文音声のシャドーイングが出来るようになったら、自分が現在置かれている状況で文章を1つ(或いは3つくらいまで)作りましょう。それを覚えて無意識に表現できるようになるまで、繰り返し音読してください。適切な反復回数の目安は100回です。
まとめ
2024年大注目の映画「オッペンハイマー」からビジネス英語のフレーズを学んできました。今日のワンシーンから抽出されたフレーズは実際のビジネスシーンでも応用可能です。
映画のフレーズからご自身のフレーズを作って頂いて、是非実際のビジネスシーンで是非使ってみてください。
また他の記事でもビジネス英語で使えるフレーズ、構文、交渉方法などをまとめていますので是非ご覧ください。
① there is a chance that 文章 ・・・~の可能性がある
② A support B ・・・AがBを裏付けている
③ chances are near zero ・・・可能性はほぼゼロに近い
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