この記事は映画の1シーンからリアルなビジネス英語のスピーキングフレーズや交渉方法を学ぶ内容になってます。
本日取り上げるのは『AIR』という映画。
1984年、バスケットボール部門の不振にあえいでいたナイキが、どのようにして一発逆転で業界のトップになったか。
その原動力となったバスケットボールの伝説的選手、マイケル・ジョーダンとの契約をどうやって獲得したのか?などが詳細に描かれています。
映画自体、企業のプロジェクト成功秘話なのでビジネス英語のフレーズが豊富に登場します。映画全体がビジネス英語の教科書と言っても過言ではないと思っています。
映画本編をご覧になりたい方はこちらからどうぞ↓
誰に向けて書いているか?
英語を使って情報を伝えるだけではなく、相手の心を動かして、行動に移してもらいたいと思っている人。
。
本記事で学べる事
- 人を動かす原則の1つである「社会的証明」について
- 社会的証明を交渉時に使用するときに便利な英語構文の組み立て方
- 「自分だったらどう言うか?」自分事としての応用表現の作り方
本記事を読めば映画の1シーンから実戦で使えるリアルなフレーズが学べます!
効果的なフレーズを自分のものにして実際のビジネス現場に活かしていきましょう!
執筆者は、私、たっちゃんです。
海外営業職に就いてもうすぐ8年になります。
今日の構文をご紹介しますね。
① That’s a fair point, but that’s just not how the business works.
(それは妥当な意見ですが、それは一般的なビジネスのやり方ではありません。)
↓
②皆が行っている社会概念の説明
↓
③and that’s how it goes.
(それが一般的な流れなんです)
映画本編をご覧になりたい方はこちらからどうぞ↓
映画「AIR」解説と本日のマジックフレーズ紹介
あらすじと今日のフレーズを順を追って説明します。
「AIR」あらすじ
まだ映画「AIR」を見られていない方はこちらをご参照ください。https://eiga.com/movie/99032/special/
今日のシーン
それでは本日のシーンを見てみましょう!
マイケルジョーダンの母親がナイキ社の窓口担当であるソニー(マイケルジョーダン)に対して条件交渉で電話を掛けているシーンです。
コンバース、アディダス、ナイキの3社が、マイケルジョーダン一家に対して契約に関するプレゼンを実施。その後数日が経過しました。
交渉窓口であるマイケルの母親がソニーに電話を掛け、1つの条件をナイキが承諾すれば、ナイキと契約するとの話をもちかけます。
その1つの条件とはバスケットシューズのエアジョーダンの売上の一部をジョーダンに支払ってほしいというもので、業界での前例はなく前代未聞の条件でした。
ソニーとしては到底受け入れられるものではありません。
今日のシーンはそのやり取りです。
(字幕設定で英語字幕出せますので、そちらもチェックして下さいね)
英文解説
実際のセリフ
It’s basketball.
それがバスケットボールというものです。
Yeah, but if he does it, he deserves to be compensated.
ええ、でももし彼が(偉業を)達成するなら、彼は報酬を受けるに値します。
You eat, we eat. That’s all he’s asking.
あなたたちが利益を取り、私たちも取る。彼が求めているのはそれだけです。
That’s a fair point, but that’s just not how the business works.
それは妥当な意見ですが、通常のビジネスのやり方ではありません。
I mean, they-they invest the capital, then they get the reward,
つまり、彼らは資本を投資し、その後で報酬を得る、
and that’s how it goes.
それが一般的な流れです。
Well, maybe that needs to change.
ならば、そのやり方を変える必要があるかもしれませんね。
compensate ・・・ 報酬を与える
fair point ・・・妥当な意見
invest the capital ・・・ 資本を投資する
get the reward ・・・報酬を得る
セリフ解説
この会話の前段でマイケルの母親は、将来息子(マイケルジョーダン)がバスケットボール業界で誰も成し遂げなかった偉業を達成すると話しています。
そうすれば息子はエアジョーダンの売上の一部を報酬として受け取る権利がある、と主張。
それに対してソニーはそんな事は無理だ。
今までの歴史を考えてそんなに簡単ではないのがバスケットボールだ→1文目 It’s basketball.と話します。
2文目、but if he does it, he deserves to be compensated.でもし息子のマイケルが偉業を成しえるなら、マイケルは報酬を受けるに値すると母親はなおも主張しています。
3文目、You eat, we eat. That’s all he’s asking. お互いが利益を分け合うイーブンの関係である、と母親。
4文目、それに対しソニーはThat’s a fair point, but that’s just not how the business works.「妥当な意見」と一旦は認めつつもですが、ビジネスの本来のやり方ではないと否定しています。
この4文目もポイントです。相手に理解を示したうえで(fair point と言ってから)、反論しています。これは反論するときに効果的な手法です。
他にも以下のような言い方があります。(以下例文2つ)
- “I understand your point, but I see it differently. Here’s why…”
ご意見は理解しましたが、私は少し違う見方をしています。その理由はこちらです… - “While I appreciate your perspective, I have some reservations. Let me explain…”
あなたの視点は評価しますが、いくつか懸念があります。説明させてください…
「今日の会話文」に戻ります。5文目で今日のテーマである社会的証明を使った反論。ここで一般論を持ち出します。
they invest the capital, then they get the reward, and that’s how it goes. 資本を投資した者(ナイキ)が、その後で報酬を得る(ナイキ)、それが社会的な通例だと話します。
ただ母親もここで引き下がりません。
6文目Well, maybe that needs to change.
そのやり方を変える必要がある。そんな社会通念は変えてしまえばいいと反論するわけです。
映画本編をご覧になりたい方はこちらからどうぞ↓
「社会的証明の原則」の解説
5文目にソニーがフィル社長を説得する際に「社会的証明の原則」というものが使われています。
この「社会的証明の原則」とは、社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニが書いた「影響力の武器」で触れられています。
ソニーはこの「社会的証明の原則」を利用してマイケルジョーダンの母親を説得しようとしています。
社会的証明の原則とは人々が他人の行動を参考にして自分の行動を決定する傾向があるというものです。
「他人の行動」とは社会的に認められている哲学、認識、通念なども含みます。この場面では資本主義のルールを持ち出して説得しようとしています。
他の5つの原則とあわせ説得・交渉に必須な6つの原則をこちらで説明しています。お時間がある時に是非見てみてください。
構文解説
もう一度構文を出しますね
① That’s a fair point, but that’s just not how the business works.
(それは妥当な意見ですが、それは一般的なビジネスのやり方ではありません。)
↓
②皆が行っている社会概念の説明
↓
③and that’s how it goes.
(それが一般的な流れなんです)
本日の構文を使った例文作り
「社会的証明の原則」を使った例文
ビジネス上での例文
例文 (例えばある会社の中でエンジニアの報酬について話し合ってるとします。)
(Aさん)
If she fixes the critical bug, she deserves to be compensated.
彼女が重大なバグを修正したら、彼女は報酬を受けるに値します。
That’s all she’s asking.
彼女が求めているのはそれだけです
(Bさん)
That’s a fair point, but that’s just not how our development cycle works.
それは妥当な意見ですが、それが私たちの会社の開発の進め方ではありません。
An engineer solves the problem, then he or she get the gratitude, (*会社の中の通例を持ち出す)
彼らは問題を解決し、それでで感謝をしてもらう
and that’s how it goes.
それが(この会社では)一般的な流れです。
私生活での例文
例文 (例えば週末行われる私的なバーベキューで、料理を作る人に報酬を払うか話し合ています。)
(Aさん)
If he cooks for everyone, he deserves to be compensated.
彼がみんなのために料理するなら、彼は報酬を受けるに値します。
That’s all he’s asking.
彼が求めているのはそれだけです。
(Bさん)
That’s a fair point, but that’s just not how our gatherings work.
それは妥当な意見ですが、それが私たちの集まりのやり方ではありません。
I mean, someone cooks, then everyone brings something, (いつもの仲間内のやり方を持ち出す)
つまり、誰かが料理をし、それからみんな何かを持ち寄る、
and that’s how it goes.
それが一般的な流れです。
どのようにこのフレーズを応用するか?
自分にあてはめた文章を作ろう!
読者の方々はそれぞれ自分のいる会社、職場での関係性シチュエーションが違うと思います。
ご自身のおかれた環境をイメージしながら上記構文を使って皆さんに合った文章を作ってみてください。
それを何度も暗唱する事で自分のフレーズとして獲得できます。
練習方法
この構文を利用した自分事としての例文をつくり、自分のものにするためにも声に出して何度も繰り返しましょう。
原文音声をひたすらシャドーイング
ますます自然なネイティブのリズムや発音を手に入れるために、最初にオリジナルの音声を真似てみましょう。
自分事文をひたすら音読
原文音声のシャドーイングが出来るようになったら、自分が現在置かれている状況で文章を1つ(或いは3つくらいまで)作りましょう。それを覚えて無意識に表現できるようになるまで、繰り返し音読してください。適切な反復回数の目安は100回です。
まとめ
映画「Air」から学ぶビジネス英語のフレーズは、ただの言葉以上のものです。
他のシーンを描いている関連記事も参考にしながら是非使える表現を増やしていってください。
そして、自身のセリフを繰り返し練習して是非自分のものにしてください。実際のビジネスで大いに活用してください。
① That’s a fair point, but that’s just not how the business works.
(それは妥当な意見ですが、それは一般的なビジネスのやり方ではありません。)
↓
②皆が行っている社会概念の説明
↓
③and that’s how it goes.
(それが一般的な流れなんです)
映画本編をご覧になりたい方はこちらからどうぞ↓
コメント