交渉・説得の背後にある6つの原則【名著「影響力の武器」から学ぶ】

なぜ一部の人は他人を上手に説得し、スムーズな交渉ができ、思った通り結果を引き出せるのか?

その理由をたった6つの原則で説明したのがロバート・B・チャルディーニが書いた「影響力の武器」。

人が他人に影響を与えたり、逆に影響を受けたりする際にどのような心理的原則が働いているのかを、具体的な研究結果と共に紹介しています。

本記事では、この6つの原則を具体的なビジネスシーンの例と共に学びたいと思います。

これらの原則を理解し活用することで、あなたの交渉スキルが格段に向上すること間違いなし。

映画交渉場面を紹介している記事では、この6つの原則との関連性も出来るだけ説明していますのでそちらも是非チェックしてください。

社会で騙されたり丸め込まれたりしないために、私たちはどう身を守れば良いのか? ずるい相手が仕掛けてくる“弱味を突く戦略”の神髄をユーモラスに描いた、世界でロングセラーを続ける社会心理学の名著。待望の第三版は新訳でより一層読みやすくなった。楽しく読めるマンガを追加し、参考事例も大幅に増量。ネット時代の密かな広告戦略や学校無差別テロの原因など、社会を動かす力の秘密も体系的に理解できる。
この記事を執筆した人

40代中盤のおじさんです。               30代半ばで国内営業から海外営業へ転身しました。               英語での商談・プレゼンは500回以上経験。  多くの失敗を糧に日々研鑽しています! TOEIC 895点

たっちゃんです
目次

交渉が学べる名著「影響力の武器」概要

著者紹介

ロバート・B・チャルディーニとは誰か

心理学の大家で、特に説得や影響力に関する研究が専門。

アリゾナ州立大学の教授として長年にわたり研究を行い、その成果はビジネス、マーケティング、心理学など、多岐にわたる分野で応用されています。

「影響力の武器」はなぜ生まれたのか?

チャルディーニ氏がこの研究をする理由は、彼自身が人からよく「だまされていた」から。

つまり良いカモだったわけです。

実生活でセールスや募金販売員の口車にのってものを買ったり募金をしたりしていたようで、それをきっかけに「人はなぜだまされるか」を真剣に考えるようになりました。

結果的に研究のテーマは「承諾の心理」。

つまりどうやって人は他人にYesと言わせるのか。どうよって人は他人を行動させるのかを研究しています。

潜入捜査、ならぬ潜入研究からみつけた6つの原則

その研究の為に非常によく使った研究方法が「参与観察」というものでした。

これは研究者がスパイになり、その道のプロ達に広く使われているテクニックと戦略を内側から学ぶという事です。

例えば百科事典販売会社に入り込みそこでセールスの方法を学ぶ、などがこれにあたります。

なんと、チャルディーニ教授は「参与観察」を3年間実施しました。

そこでわかったことは

その道のプロたちが相手にイエスと言わせるために使う戦術は数限りなくあっても、その大部分は6つの基本的なカテゴリーに分類できるということ。

ロバート・B・チャルディーニ. 影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか

その6つのカテゴリー(原則)は返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性 です。

この6つの原則をおさえることが説得や交渉をするにあたって非常に重要であると著者は言います。

それでは次章からそれら6つの原則を見ていきましょう。

交渉・説得の背後にある6つの原則

1. 返報性の原則

返報性とは

人は他人から何かを受け取ると、その恩義に報いようとする心理的傾向がある、というもの。

つまり、誰かに何かをしてもらったら、私たちは何らかの形で恩返しをしたいと感じるのです。

バレンタインのチョコレートをもらったらホワイトデーで返す。年賀状をもらったら返す。食事をおごってもらったら別の場面でおごりかえす。等です。

毎日のようにやっていますよね。

この返報性は人間の認識の奥深くまで根付いているので、チャルディーニ教授は一番影響力がある原則だとも言っています。

返報性が人々の行動にどのように影響を与えるか

この原則により、人は無料サンプルや親切な行為を受けると、何かを購入したり、相手の頼み事を聞き入れたりする確率が高くなります。これは、恩返しの必要性を感じるためです。

返報性の例

レストランでのチップは相互性の良い例。ウェイターが笑顔で親切に接客し、時には無料のデザートを提供すると、お客はより多くのチップを残す傾向があります。この行為は受けた親切に対する感謝として、自然と行われます。

返報性の特徴は2つ

返報性はとても重要な原則なのでくわしく説明します。

この返報性の法則には2つの大きな特徴があります。

1つ目は

相手が好きか嫌いかに関わらず、お返しをしないといけないという義務感が芽生える

2つ目は

受け取ったものが自分の欲しいものではなくても、お返しの義務感が生じる

つまり自分が頼んでいなくても、何かを与えられてしまうとお返ししたくなる、という事。

なぜか?

理由は2つあり、1つは恩義を返さないと自分自身が不快に感じるから。

2つ目は恩義を返さない事は社会的に許されないから。

このように返報しないというのは人間の感性からすると難しい事なので、人はどうしても返報しようとしてしまいます。

返報性は巧みに利用・悪用される

相手に義務感を感じさせる「返報性」は、商売でも巧みに利用されます。

無料の試供品を渡すことがこれに当てはまります。

スーパーでの試食販売はもちろん商品の良さを知ってもらう為のものですが、一方で「試食したから買わないと悪いな」という心理を芽生えさせ買わせている側面もあります。

わざと相手に拒否させて返報性を利用するテクニック

「返報性」を組み込んだ方法として「拒否したら譲歩法」というものがあります。

これは相手にふっかけた要望を出して断らせ、その上でこちら側の本当の要望を出し承諾させるというものです。

例えば、あなたが知人のAさんに10万円英語教材を売りつけようとします。

最初の段階ではAさんへ販売額を15万円で提示⇒Aさんは購入を断ります。⇒そこで10万円で再提示します(あなたが価格を譲歩しています)⇒Aさんはあなたが譲歩したことに対して恩義を感じて買う事を検討してしまいます。

これが返報性を利用した「拒否したら譲歩法」というものです。

もし最終的に教材の購入を断られたとしても、Aさん以外で買ってくれそうな人を紹介してもらえませんか?というお願いをして新たな「返報」を促すことができます。

返報性を使った英語例文

“After assisting with the installation at no extra charge, we would be grateful if you could consider us for your upcoming projects.”

追加料金なしでのインストールをサポートさせて頂いたので、今後のプロジェクトで弊社を検討していただけると大変うれしいです。

“We provided complimentary training for your team. It would be great if you could refer our services to other departments within your organization.”

あなたのチームに無償でトレーニングを提供しました。組織内の他の部門に当社のサービスを紹介していただけると幸いです。

“If we customize the product to meet your specific needs at no extra cost, would you consider a long-term partnership with us?”

もし追加料金なしでご希望通りに当該製品をカスタマイズしたら、当社との長期的なパートナーシップをご検討していただけますか?

2. 一貫性の原則

一貫性とは決断と行動につながりを持たせる事 人間の欲求

一貫性とは自分の言葉、信念、考え方、行為を一貫したものにしたい、という人間の欲求の事。

言い換えると自分が決断した事に対してはその決断を最後まで貫き通す、という行動です。

決断以外でも、もしあるコミットメント(約束)をした場合、そのコミットに合致した行動をとろうとする(或いは合致していると見られようとする)事も一貫性です。

1回約束したことはそれをやりきろうとするのは人としてある意味当然ですよね。

人が一度コミットメントをするとどのように行動が変わるか

例えば、公の場で何かを約束した人は、その約束を破ることによる社会的な評価の低下を避けるため、約束を守る可能性が高くなります。この原則は、人が自分の言葉や行動に責任を持つよう促します。

一貫性の原則の特徴

この一貫していたい(一貫していると見てもらいたい)という欲求のせいで、自分の利益と明らかに反した行動をしてしまう事があると言います。

チャルディーニ教授が著書の中で書いている物語が参考になります。

教授は友人と瞑想セミナーの勧誘プログラムに潜入します。そこではお金を払ってプログラムに参加すれば心の安らぎが得られ、また空中浮遊や壁のすり抜けなどの技も手に入るという内容でした。

セミナーの最後に教授の友人が参加者全員の前で主催者を完全に論破しセミナーを台無しにします。

しかしセミナー後に驚くべきことが起きました。

参加者の多くが、列をなして申込をしていた、という事です。参加者の多くは論破されるくらい怪しげなプログラムとわかっていても、「申込み」をして「講義に参加する」という自分の行動の一貫性を保つためにプログラムの購入申し込みをしてしまう。

これが一貫性のパワーだと言っています。

一貫性を使った承諾誘導というテクニック

一貫性は「承諾誘導」にも使われます。

ほんのささいなこと、と思えるコミットメントをさせて、さらなる一貫した行動を生み出します。

例えば、何かのボランティアの勧誘をするとします。その場合、単にボランティアのお願いをするよりも効果の高い方法があります。

それは事前にボランティアについてのアンケートを取り、「今後やりたいと思う」という答えを引き出すことです。

大体の人がボランティアを何となくやりたいと思っているので、このアンケートにはボランティアをやりたいと答えます。

このアンケートの後にボランティアの依頼をすると、驚くほど承諾率が上がると言います。

つまり「小さなアンケート」をきっかけに、ボランティアをやりたい⇒やる、という一貫性の気持ちを相手に持たせ、行動につなげるのです。

一貫性を使った英語例文

“Last time, you agreed that timely delivery is crucial for our operations. Based on that, could we set a firm delivery date for this order?”

前回、時間通りの納品が当社でのオペレーション上重要であることに同意いただきました。それを踏まえて、この注文について確定納品日を設定してもらえますか?

“Since you’ve acknowledged the importance of using eco-friendly materials, can we assume you’ll prioritize this in our current project?”

エコフレンドリーな材料の重要性をご認識いただいてますので、現在のプロジェクトではその材料を優先してご使用いただけると思ってよろしいですか?

“You’ve previously expressed a commitment to innovation. In line with that, would you be open to exploring some cutting-edge items we have proposed?”

以前あなたはイノベーションに取り組まれる旨、表明されました。それに流れで、私たちが提案した最先端の商品ついてご検討いただけますか?

社会で騙されたり丸め込まれたりしないために、私たちはどう身を守れば良いのか? ずるい相手が仕掛けてくる“弱味を突く戦略”の神髄をユーモラスに描いた、世界でロングセラーを続ける社会心理学の名著。待望の第三版は新訳でより一層読みやすくなった。楽しく読めるマンガを追加し、参考事例も大幅に増量。ネット時代の密かな広告戦略や学校無差別テロの原因など、社会を動かす力の秘密も体系的に理解できる。

3. 社会的証明の原則

社会的証明とは他人のものまね

社会的証明の原則とは、人々が他人の行動を参考にして自分の行動を決定する傾向があるというものです。

特に、自分が正しい判断を下すことに自信が持てない時、他人の行動を模範とします。

これもやはり、何かを判断したり決めたりする場合に1から考えるよりも「皆がそうしているから」を基準に判断した方が楽。

そうした思考停止が根本にあります。

人々が他人の行動を模倣する心理的理由

これは、特に不確実性の高い状況下で顕著です。

他人がある行動を取っているのを見ると、その行動が正しいという社会的な証拠となり、安心感をもたらします。

社会的証明の例

募金箱にあらかじめお金を入れておいて募金を集めやすくする、などはこの方法を使っています。

また、わざと店の前に長蛇の列を意識的に作り出す飲食店があります。これは店の前に視覚的にわかる社会的証明を提示し道行く人々にここは良い店であると意識づけています。

セールスマンが今まで買ってくれた人の好意的な意見を話すのも社会的証明を使った技法です。

マーケティングや広告での社会的証明の利用事例

商品やサービスのレビューや星評価は、社会的証明の一例。消費者は他の人々が商品に高い評価を与えているのを見ると、その商品を購入する確率が高くなります。また、人気のある商品が売り切れていることを示すことも、社会的証明として機能し、商品の魅力を高めます。

社会的証明の特徴 

2つの状況下で最も影響力を持ちます。

1つ目は

自分の決断に自信が持てないときor状況が不安定であいまいなとき

例:路上で人が倒れていても人通りが多いのに誰も声をかけない、という事があります。(特に東京で顕著かと)。それは人々が不親切なのではありません。

人は倒れている人を見たときに、何があったのか?と頭をよぎります。

しかし道行く人が全員何事もないように通り過ぎて行く。。誰も行動を起こさない。。という事が群衆の中の「社会的証明」であると判断します。

それなら自分も何もしないでおこうという決断に至ります。

2つ目は

自分に似た人の行動が特に自身の行動に影響するという事です。

例:大学生の就活。

今まで中学、高校、大学、と同じ経路を辿ってきた他のみんなが就活する。別にやりたくないけどやっとこう。⇒これです。

書籍の中ではゾッとする例として自殺の後追い(有名人の自殺が報道されたあとに読者が続く事)がこの「社会的証明」にもとづくものだとの論考もあります。

他にもいくつもの例示がされていますので気になる方は本書にあたってみてください。

社会的証明を使った英語の例文

“Many of our clients have seen significant improvements in their workflow after adopting our software. Would you like to experience the same benefits?”

当社の多くのクライアントが、当社のソフトウェアを採用した後、ワークフローの大幅な改善が出来ています。御社も同じ効果を体験してみたいですか?

“This product is our best seller, with thousands of satisfied customers worldwide. Would you like to join this growing community?”

この製品は世界中に数千人の顧客を持つベストセラーです。御社もこの成長しているコミュニティに参加しませんか?

“Our training program has been endorsed by numerous experts in the field. How about giving it a try to see the results for yourself?”

当社ののトレーニングプログラムは、業界の数多くの専門家から支持を受けています。御社ではどのような結果になるか、試してみませんか?

4. 好意の原則

好意の原則とは

好意の原則とは、自分に好意的な人、類似性がある人、共通の目標を持つ人などに対して、より協力的になる事。

つまり、私たちは自分たちが好きな人々からの影響を受けやすいのです。

好意が意思決定に及ぼす影響

好意を持たれることは、相手に対して肯定的な態度や行動を引き出しやすくします。

例えば、魅力的な営業担当者は、顧客からの信頼を得やすく、結果として商品の購入意欲を高めることができます。

好意をビジネス関係で生かす戦略

ビジネスでは、自社のブランドや製品に対する好意を築くために、顧客との関係構築に努めることが重要。これは、顧客サービスの向上、顧客とのコミュニケーション、社会的責任の実践などを通じて達成できます。

好意を使った英語の例文

“You did an excellent job facilitating last week’s meeting so I’d like you to facilitate next week’s meeting too.”

先週のあなたの会議の仕切りは素晴らしいものでした。ですので今回もお願いしたいと思っています。

“We’ve always appreciated your partnership and have gone the extra mile to meet your needs. Could we count on your support for this upcoming project?”

当社は、貴社とのパートナーシップに日頃から感謝しており、弊社は貴社のニーズに寄り添う為に常に懸命に取り組んで参りました。この次のプロジェクトで貴社のサポートを期待してもよろしいでしょうか?

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5. 権威の原則

権威の原則とは何か

権威の原則とは、人々が専門家や権威ある人物からの意見や指示に従いやすいという心理的傾向を指します。

これは、そのような人物が正しい判断や情報を提供してくれるという信頼感から来ています。

なぜ人々は権威に従うのか

私たちは若いころ、知識や経験が豊富な親や先生に従うことで自分の為になることを学んできました。

大人になっても政府の人間や、経営者、裁判官、その道の専門家などに従うことで利益を得ることを学習しています。

彼らは力も知識もあるので彼らに従うことで一定の成果を得てきました。

権威を用いた影響力の行使例

医師が特定の健康食品を推奨する広告は、権威の原則を活用した典型的な例です。

消費者は医師の推奨という権威ある証言によって、その製品を信頼しやすくなります。

危険なのは、理屈が合わないことがあっても、この原則のせいで権威に従ってしまうという部分がある事です。これは他の原則の際にも登場した、思考停止で楽が出来る、という理由によるものです。

いつわりの権威

実際の権威ではなく、人は権威を作りだす事ができます。

権威者に対して自動的に反応する場合、その実体にではなく権威の単なるシンボルに反応してしまう傾向がある。この点に関して、効果のあることが実験で明らかにされている三種類のシンボルは、肩書き、服装、自動車である。

ロバート・B・チャルディーニ. 影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか

詐欺師がこの3つに神経を使うのも納得です。

権威の原則を使った英語例文

“As you may know, Dr. Smith, a renowned authority in the field, has highly recommended our services. Wouldn’t you want to introduce our survice ?”

ご存じかもしれませんが、この分野の著名な権威であるスミス博士が、当社のサービスを高く推奨しています。御社もこのサービスを導入頂けないですか?

“Our approach is based on the latest research conducted by top universities, ensuring that we’re at the cutting edge of our field. How can we work together to integrate these advancements into your strategy?”

我々の手法は、最上位の大学が行った最新の研究に基づいたものです。そのおかげで私たちは当分野最先端を走っています。我々の先進性を御社の戦略に活かすため、どういった形で協力できるでしょうか?

6. 希少性の原則

希少性が人の行動にどのように影響するか

希少性の原則とは、何かが少なくなると、人々はそれをより価値があると感じ、手に入れたいという欲求が高まるという心理的傾向の事。

つまり、手に入らないものほど魅力的に感じるのです。

対象はものだけに限らず情報にも適用されます。

ある特定の情報へのアクセスが制限されるとどうしてもその情報に到達したくなる。⇒これも希少性の原則です。

希少性が威力を持つ理由

2つ理由があります。

1つ目は

「通常、希少性に従ってモノを選べば得をする」という経験を人間がしてきたから。

2つ目は

(少し難しいですが)希少性が人間の自由に対する欲求を刺激するからです。

人間はもともと自由を求める性向があります。簡単に手に入らないという事は人間の自由を狭めているという事。

その圧力に人は反発するので希少性があるものを手に入れたい欲求は一層高まる、という事らしいです。

簡単に言うと、自由を制限されると不愉快だ、というところでしょうか。

希少性を用いたマーケティング戦略

限定販売や期間限定オファーは、希少性の原則を利用したマーケティング戦略の例です。

これらの手法は、消費者に「今買わなければならない」という緊急感を与え、購買意欲を刺激します。

希少性の原則の注意点

希少性は強力な原則ですが、誤って使うと信頼を失う可能性があります。たとえば、偽の希少性を作り出すと、消費者はそのうち真実を見抜き、ブランドに対する信頼を失うことになります。

希少性が持つ特徴

希少性が高まる要因として2つ場合があります。

1つ目は

初めから希少ではなく後から希少になったもの。

最初から数が少ないものについては我慢できるけど、途中から数量が減ると人は更にそれを求めてしまいます。

2つ目は

他人との競争になる時。

東日本大震災の後に人々が食料品を追い求め、あっという間にスーパーやコンビニの棚から商品がなくなりました。

私も経験しましたがびっくりしました。この2つの事例に由来するものですね。

希少性を使った英語例文

“This is a limited-time offer and we only have a few items left at this price. Shall we secure your order today before they’re all gone?”

これは期間限定のオファーで、この価格で残っている商品はあとわずかです。なくなる前に今日、ご注文を確定しませんか?

“We’re offering an exclusive discount to our first ten customers. Given the high demand, I recommend acting quickly. Would you like to be one of the exclusive few?”

最初の10人のお客様には特別な割引を提供しています。非常に人気があるので、迅速に決断されることをお勧めします。最初10人に入りたいですか?

社会で騙されたり丸め込まれたりしないために、私たちはどう身を守れば良いのか? ずるい相手が仕掛けてくる“弱味を突く戦略”の神髄をユーモラスに描いた、世界でロングセラーを続ける社会心理学の名著。待望の第三版は新訳でより一層読みやすくなった。楽しく読めるマンガを追加し、参考事例も大幅に増量。ネット時代の密かな広告戦略や学校無差別テロの原因など、社会を動かす力の秘密も体系的に理解できる。

まとめ

ここまで、返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性という6つの原則について解説しました。

これらの原則は、日常生活やビジネスのさまざまなシーンで、人々の意思決定に影響を与える強力なツールです。

これらの原則を理解し、適切に活用することで、自身の目的を達成するための説得力を高めることができます。しかし、その際には倫理的な観点を忘れず、他人を尊重し、信頼を築くことが重要です。

他の記事で紹介している映画の各交渉シーンにも6つの原則のいずれかが使われている場面も多いです。そちらとあわせて是非この6つの原則の理解を深めてください!

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